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シャフトカップリング は、モータと機械要素(ポンプ、減速機、工作機械など)の回転軸を接続し、動力を効率的に伝達するための重要な部品です。単純に「つなぐ」だけでなく、ミスアライメント(芯ズレ)の吸収や衝撃緩和、振動低減などの役割を持ち、産業機械の安定稼働を支えています。
1. シャフトカップリングの主な用途
動力伝達
モータやエンジンの回転をポンプ、コンプレッサー、ファンなどに伝達。
ミスアライメント吸収
軸心のズレ(平行ズレ・角度ズレ・軸方向の移動)を許容し、軸受や機械要素への負担を軽減。
衝撃吸収と振動低減
ゴムや樹脂を用いたカップリングでは、衝撃や振動を吸収して装置の寿命を延ばす。
安全機構
過大なトルクがかかった際にスリップして装置を保護する「トルクリミッタ付きカップリング」も存在。
2. 産業分野での活用事例
(1) 工作機械分野
CNC旋盤やマシニングセンタでは、高精度の位置決めが必要。バックラッシのない精密カップリングが使われ、サーボモータの動きを正確に伝達。
高剛性タイプが主流で、ミクロン単位の加工精度を支える。
(2) ポンプ・送風機分野
水処理設備や空調機器のポンプ駆動に使用。
軸ズレを吸収できるフレキシブルカップリングを用いて、長時間稼働でも安定した運転を実現。
(3) 自動車産業
試験装置やエンジンベンチで、動力伝達ラインに採用。
振動吸収型カップリングにより、高速回転でも安定した計測が可能。
(4) 発電・エネルギー分野
発電機やタービンの回転を伝達する用途。
高トルク対応のディスクカップリングやグリッドカップリングが採用される。
(5) 医療機器・精密機器
CTスキャナや検査装置では、静粛性と精密性を両立するため、小型で高精度なカップリングを使用。
低振動・低バックラッシ型が求められる。
3. 用途に応じたカップリングの種類
フレキシブルカップリング:ミスアライメント吸収に強い。
リジッドカップリング:ズレ許容がなく、高精度・高剛性用途に適用。
エラストマーカップリング:ゴムや樹脂で振動吸収、モータ保護に有効。
ディスクカップリング:高トルク・高精度、メンテナンス性も良好。
まとめ
シャフトカップリング は、動力伝達だけでなく、芯ズレ吸収や振動緩和、安全機構といった多様な役割を担っています。工作機械、ポンプ、自動車試験装置、発電設備、医療機器など、幅広い産業分野で活用されており、それぞれの用途に応じて最適なタイプが選ばれています。適切なカップリングを選定することで、装置の寿命を延ばし、安定稼働と高効率を実現することが可能です。
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