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産業用ロボットが動くためには、プログラムが必要です。動き方を設定するティーチングは、ロボットの機械そのものに動作を設定するのではなく、搭載されているOSにプログラムを書き込みます。
PCやスマートフォンといった一般的な電子機器にもそれぞれ最適なOSが搭載されており、産業用ロボットが採用しているのが、ROSです。代表的なOSのMicrosoft Windowsは『集中管理型』の処理システムですが、ROSは『分散処理』システムを採用しており、産業用ロボットと相性がよいとされています。
集中管理型のシステムでは、メインプロセッサがすべての情報処理と命令を行います。システム構築は簡単ですが、多くの情報を高速かつ連続で処理しなければならない場合、処理が追いつかず、動作遅延やシステム停止を招く可能性があります。
産業用ロボットには多くのアクチュエータやセンサーが搭載されています。常に変動するアームの座標やセンサーからの情報を絶えず取得し、最適な動作をすばやく命令できなければ、作業を安定して実行できません。
分散処理型は、複数のプロセッサが情報処理と命令を行うシステムです。システム構築が集中管理型よりも難しく、メンテナンスの手間もかかるものの、処理スピードや安定した動作が見込めます。ロボットのアームや関節、センサーなどに分散して設置されたプロセッサが、それぞれ担当しているプログラムを実行するだけなので、産業用ロボットの安定した運用が可能です。
また、ROSのライブラリには世界中で開発されたプログラムが公開されていたり、C++やPythonといった複数の言語に対応していたりするなど、ROSには産業用ロボットシステムの開発環境が整っているのです。
『ノード』がプログラムを実行する。ROSの構成要素
ROSの大きな特徴である分散処理。ROSでは分散処理がどのように行われているのか、プログラムの基本的な構成要素とあわせて、簡単にご説明します。
ROSのプログラム『ノード』
ノードとは、一般的なコンピュータの『プログラム』を指します。コマンドと言い換えることも可能です。ノードは独立しているメモリ内でプログラムを実行しており、ノード同士が情報のやり取りを行うことで、ロボットの制御を行います。
関連する複数のノードをまとめたものが『パッケージ』です。一連の動作を実行するためのノードをパッケージとしてまとめることで、管理が簡単になります。ROSライブラリには、すでに開発された汎用性の高いノードやパッケージが配布されており、システム開発者はこれを自由に活用できるのです。
通信回路の役割を担う『トピック』と、情報を表す『メッセージ』
ノード同士が情報をやり取りするための回路(データパス)のような役割を担うのが『トピック』です。トピックを介して送られる情報は『メッセージ』と呼ばれており、ノードはトピックを通じてメッセージをやり取りすることで、プログラムを実行します。
ノードを管理する役割の『マスター』
『マスター』はノード同士が情報のやり取りをする際に、お互いのノードやトピックを識別する仕組みです。パッケージはノードのまとまりの名称でしかありませんが、マスターはそれぞれのノードを管理するシステムのような役割を担っています。
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