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従来のオープンループ制御では実現が難しかった高精度・高信頼性・リアルタイム制御を必要とする現場で、クローズドループステッピングモータがどのように活用されているかを具体的に紹介します。
クローズドループステッピングモータとは?
クローズドループステッピングモータは、モータにエンコーダ(位置検出器)を内蔵し、回転位置や速度をリアルタイムでフィードバック制御するモータです。
脱調を防ぎつつ、位置精度を維持できることから、オープンループ方式に比べて制御の信頼性と省エネルギー性に優れています。
活用例①:電子部品の高速搬送装置(マウンタ・ピック&プレース機)
精密電子部品の供給や実装位置への配置にはミクロン単位の位置精度と高速応答が求められる
クローズドループ制御により、加減速時の位置ズレを補正しつつ脱調を回避
高速・高精度・静音性を兼ね備え、長時間の連続稼働にも適応
活用例②:自動検査装置(カメラステージやXYZテーブル)
光学検査や外観検査のカメラやセンサを動かすリニアステージに使用
撮像タイミングと同期して位置を正確に合わせるため、繰り返し精度と応答性が鍵
クローズドループにより速度変動の補正や位置再取得が可能
活用例③:食品・包装機械の搬送ライン制御
食品やパッケージのタイミング搬送、ラベリング、計量機構などで使用
内容物や速度に応じて微調整が必要なため、負荷変動に強い制御系が求められる
クローズドループ制御により、省電力化とトラブル低減、無人運転の信頼性向上に貢献
活用例④:医療・分析機器(注入ポンプ・試料搬送機構)
血液分析装置、DNAシーケンサ、液体クロマトグラフィーなどで微小量の搬送・位置決めが求められる
クローズドループ方式により、高分解能と再現性を両立
負荷が変化しても安定した動作が得られるため、長期運用・高精度要求機器に適する
活用例⑤:産業用3Dプリンター・レーザー加工機
精密な3Dプリントやレーザースキャン時の軌道制御に利用
制御遅延や過負荷での「脱調」が製品不良につながるため、高信頼なクローズドループ制御が必須
エンコーダ付きで品質安定性と補正機能の両立が可能
クローズドループステッピングモータは、サーボモータに近い制御性と、ステッピングモータの簡便性・コストメリットを両立できる点が評価されています。脱調リスクが許されない産業分野では、ますます不可欠な存在となりつつあります。
導入に際しては、エンコーダの分解能、制御ICの選定、負荷条件への適合性なども重要です。
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