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ステッピングモータは、電気信号(パルス)に応じて一定角度ずつ回転する位置決め用モータです。その中でもPM型ステッピングモータ(Permanent Magnet型)は、永久磁石を回転子(ロータ)に使用した構造により、シンプルかつ低速域での高トルク性能を実現しています。
本稿では、PM型ステッピングモータの基本的な動作原理と、その特性を活かした代表的な応用事例をご紹介いたします。
1. PM型ステッピングモータの構造と動作原理
● 構造の特徴
PM型ステッピングモータは、以下のような構成を持っています:
ステータ(固定子):複数の電磁コイルが配置されており、通電により磁極を形成します。
ロータ(回転子):N極とS極が交互に並ぶ永久磁石(多極)で構成されています。
● 動作の仕組み
ステータコイルの一部に電流を流すと、磁場が発生し、ロータのN極またはS極が吸引されて一定の角度(ステップ角)だけ回転します。
次に別のコイルに順番に電流を流していくことで、パルス信号に応じたステップ運動が行われます。
この繰り返しにより、連続的な回転動作や細かい位置決めが可能になります。
例:ステップ角が15°の場合、1回転(360°)には24ステップ必要になります。
2. PM型ステッピングモータの主な特性
特性項目 内容
構造 永久磁石式ロータ(磁極数が少なめ)
ステップ角 比較的大きい(通常7.5~15°程度)
制御方式 オープンループ制御が可能
トルク特性 低速域で高トルクを発揮
応答性 比較的スムーズで、精密制御も可能
コスト・構造 シンプルで製造コストが抑えられる
3. 応用事例紹介
PM型ステッピングモータは、簡易制御と高信頼性を両立できる特性から、以下のような用途で広く使用されています。
● ① プリンタ・スキャナ
紙送りやヘッド移動機構に使用。
確実な位置決めと静音動作が求められる小型装置に最適です。
● ② デジタルカメラ・監視カメラ
レンズのズームやフォーカス調整機構として利用。
軽負荷でコンパクトな機構にフィットし、細かい動作が可能です。
● ③ 医療・分析機器
自動注射ポンプや検体搬送装置などで、微量な制御が求められる場面に活用。
メカ構成が簡素なため、故障リスクが低く保守性にも優れています。
● ④ 自動販売機・ATM機器
コイン選別や紙幣搬送ユニットの制御モータとして使用。
低速・高トルクが必要であり、信頼性が重視される分野です。
● ⑤ ロボット・教育用機材
小型ロボットアームや教材用制御キットで活躍。
プログラムによる簡単な制御でステップ動作を実現でき、教育にも適しています。
4. メリットと留意点
● メリット
エンコーダなしでも位置制御可能(オープンループ)
制御回路が簡単で、コストパフォーマンスが高い
動作音が比較的静かで、定位置保持トルクが強い
● 留意点
高速域ではトルクが急激に低下するため、高速回転には不向きです。
ステップ抜け(脱調)を防ぐためには、負荷と駆動電流のマージン設計が必要です。
おわりに
PM型ステッピングモータは、その構造のシンプルさと安定した低速制御特性により、幅広い装置の駆動源として今なお重要な役割を担っています。特に、コスト重視・低速高トルク・コンパクト設計が求められるシーンにおいては、非常に有力な選択肢となります。
今後もIoT機器や小型自動機の普及とともに、PM型モータの活躍の場はさらに広がっていくと期待されます。
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